トレーナー留学生の見るダルビッシュ発言

「体が違うのではない。そもそも(日本とは)トレーニングの内容が違う」

「日本はそういう固定観念に縛られすぎて野球がまったく伸びてないと思う。ここ何十年も」

ダルビッシュ有(テキサスレンジャーズ)
sanspo.com 2012/7/10 より)

ちょっと時間がたってしまいましたが、
(先月、でしたが、オリンピックの前ははるか昔のことのように感じますが。。)

メジャーリーグオールスター前の記者会見で、
トレーニング方法という点において、
ダルビッシュ投手は、日本野球界の危機感をコメントし、話題を呼びました。

このダルビッシュのコメントについて、
今、実際にアメリカのトレーニングに携わっている日本人はどう思っているのか。

いまノースカロライナ大グリーンズボロ―大学院にてトレーナー留学中で、
実戦とアカデミック両方で、アメリカのトレーニングの現場に入って学んでいる
中嶋康博くん に聞いてみました。

中嶋君は、昨シーズンは、NCAAトップクラスディビジョン1のウェイクフォレスト大の、アメフト部という花形であり、競争率の高い、部でトレーナーに任命され、その後もプロリーグのトレーナーも務めるなど、
アメリカスポーツ界での現場経験を重ねてきています。

↓ ↓ ↓

ダルビッシュが投げかけた言葉は、すごく納得力がありますが、すごく抽象的でもあると思います。

対象によって取り方が全く違ってきます。

高校までなのか、 大学もしくはプロ。

はっきりしない段階の言葉かと。

なので、ダルビッシュの言葉の意味を追求していくよりも、

今は、かれ の言葉を多くの人にしってもらい、

多くの人から日本でしているものを見直すきっかけというだけで価値があると思います。

(日本とアメリカのスポーツ環境&野球&トレーニング)

まずは日本の伝統的な高校までの野球は、

とにかく年間を通して「練習量」に関してはアメリカには全然負けていない。

そこは、誰もが納得すると思います。

アメリカは、シーズンにならないと野球部は活動も練習もしないです。

高校までの大きな違いは、日本は一つのものに特化していくが、

アメリカは特定のスポーツだけやるのではなく、やれるスポーツがあれば一つに限らず多くのスポーツをしているところではないでしょうか。

秋セメスターが野球なら、冬はバスケやバレー、陸上、水泳。
春は陸上、バスケ、ホッケーなど。

多くのスポーツ を練習しているため、偏ることなく体をたくさんのものに対応できる基礎をつくるということがあるような気がします。

アメリカは野球の練習量は日本におとるかもしれませんが、それよりも高校生までに大事となってくる基礎運動神経の基盤をつくることに関しては日本に勝るものがあるとも思います。

トレーニングに関しては、日本もアメリカも高校まではそこまでかわりなく、そこまでやっていないのが現実だと思います。

ただ、日本のコーチや先生の考えかたの古さなどがあり、生徒を無理してまでも追い込んでしまう習慣はいまだにあるのが現実。

せっかくの将来の可能性を高校で摘んでしまうというのはアメリカ には見られません。

アメリカは、その日本との習慣とは全く逆で、生徒が訴える怪我や痛みにすごく敏感です。
怪我の予防は、パフォーマンス向上よりも優先順位が高くならないといけないのは当然なことだと思います。

競技寿命を長く確保できれば、その分うまくなるための練習に時間を割けることができるということ だと思います。

トレーニングは実際、高校後の大学もしくはプロから本格的に取り入れられてきます。

トレーニングは、基本怪我の予防が第一目標、
第二に競技力向上ときます。

専門家からシーズンを通してのしっかりとしたトレーニングスケジュールが作成されています。

たくさんのリサーチから、トレーニングに関して理由付けが しっかりされています。

日本の場合、プロ野球に関わるトレーナーが鍼灸の先生をはじめ治療家がしめている割合が非常に高いです。はたして、彼らはコンディ ショニングやトレーニングに関してどのくらい勉強して、そして経験してきたかというと全く分からないです。

もし、治療家が指揮してトレーナーチームを先導 しているプロ野球チームでダルビッシュがやってきたとしたら、治療家とは別に実際のトレーニングのプロがいるメジャーリーグは全く違く見えるのも、よく分かります。

↑ ↑ ↑

なかなか、興味深いです。

野球だけでなく、他のスポーツにも十分あてはまるのではないでしょうか。

今回のロンドン五輪、メダル数では
前回の北京大会を大きく上回り、
アテネの38個を上回る史上最多の躍進を遂げましたが、

ダルビッシュ選手や、中嶋君のコメントを見る限り、

トレーニング方法、環境をはじめ、

良いものはどんどん取り入れていく、という姿勢に転じれば、

日本のスポーツ界のまだまだ更なる飛躍のチャンスがあるような気がします。

中嶋君はここから始まった

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