「人としてプロフェッショナルであれ」とコーチに言われてました。[アメリカ大学テニス留学経験者の声1]

【米大学テニス留学経験者インタビュー】

本日は米ネバダ大学リノ校で全額奨学金を獲得しテニス留学された渡部健介さんにアメリカ大学テニス留学の話を伺いました。

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Q高校時代のテニスの成績は

初芝橋本高校では1年から全国大会に出場し、高校3年間でインターハイ(IH)、国体、全日本ジュニアの高校テニス3大全国大会すべてに出場を果たしました。最高成績は高2のIHでのベスト16。高3のIHでは1回戦負けで不完全燃焼でした

 

Q日本の大学でなくなぜアメリカに

高3のIH1回戦負けとなって不完全燃焼で終わったことがきっかけです。日本の大学からもいくつか声をかけていただきましたが、僕の中では当時の日本の大学選手は「練習だるい~」とか意識の低い選手が目についていて、あまりいい印象がなく、なにかもっと違う道、もっとレベルの高いところでやりたいと思うようになっていました。

親には高校からのアメリカ留学を相談したこともあったほど、もともと中学時代からアメリカに行きたいという思いはありました。

 

Qネバダ大リノ校を選んだ経緯は

アメリカの留学を決めたのは良いものの全く探すあてもなく手探りでした。そんな中、いろいろなタイプの留学について書かれている本を見つけ、その本の芸術・スポーツの分野の項目にシアトルにあった(今はない)小さなテニスアカデミーが載っていたので、そこに行くことにしました。

しかし、途中で「このままいくと留学費用が持たない」ということでコーチに相談したところ、「アメリカでテニスを続ける道としてアメリカの大学でアスリートの奨学金を獲得するという方法がある。」ということを教えてもらいました。

さらにコーチから「アメリカの大学で学問を身に着け、社会で活躍する人間になりなさい」といわれ、衝撃が走りました。

アメリカの大学を調べる中、ニューメキシコ大ですでにテニス留学をされている先輩から奨学金のチャンスがあるといわれ、そこに行くことになりました。

 

ニューメキシコ大に行き、1年目が終わろうとする3月にコーチから「翌年度は奨学金が出ない」といわれてしまいました。

奨学金が出る大学を探さないといけないということでそこから、VHSテープに自分のプレーを大量にダビングし、100校ほどの大学コーチに送りました。すると数校が興味を示してくれ、ニューメキシコ大でのシーズン、学期末テストが終わったころに「いまなら奨学金枠あるよ」という連絡をネバダ大リノ校から届き、ネバダ大リノ校への転校を決めました。

 

Qテニスにおける 日本との違い・米大学テニス留学の様子

アメリカの大学の練習は短時間。質を重視しています。基礎練習でなくポイントプレイなどより実戦的な内容でした。練習量の多い日本人選手がテニス留学するとアメリカでは物足りなく、とまどったりする選手は少なくないようですが、僕は、「ああこういうやり方もあるんだ」と特にショックややりにくさのようなものは感じませんでした。

あと、フィジカルの練習が朝7時から月水金と週3であり体を大きくするトレーニングを課されました。

 

試合スタイルは日本とかなり異なりました。日本は試合の組み立てを重視する傾向にありますが、アメリカはサイズが大きく、ビッグサーバーが多く、試合の進め方も、ビッグショットを軸に相手を圧倒し主導権を握る、というスタイルでした。

うち(ネバダ大リノ校)のコーチもサーブの強化について重要視しました。

 

指導に関しては、ヘッドコーチはいいところはいい、悪いところは悪いとはっきりいう指導法で、僕にとってはわかりやすかったです。

アメリカの大学テニスのシーズンはホームアンドアウエーで対抗戦をこなしていく形なため、チームの結束力が強かったです。シーズン初めはよそよそしかったチームの雰囲気はシーズン終わりには家族のような深い間柄になりました。いまやビジネス研修の項目に出てくるチームビルディングの研修を学んでいたようでした。

 

Q学業について

アメリカの大学は文武両道が基本で学校の成績が一定以上下回ると試合出場停止となります。具体的には一定期間ごとに授業のレポートが来て、その評価が一定基準より下回ると出場停止です。日本では、「まあ今回は」大目に見られることがよくあったりするようですが、アメリカは1点だけでも許されない厳格なものでした。

こういう話をすると日本の選手は引いてしまいがちですが、勉強も練習と一緒で量をやっていくと慣れていき、楽しさを覚えるようになります。また無料で教えてくれる学生家庭教師みたいなチューターという制度があり、わからない所をサポートしてくれたり、提出レポートをチェックしてくれたりします。チューターには何度お世話になったかわかりません。

あとアスリートは集中力、忍耐力があるのでそうした力は勉強に発揮できると思います。

ちなみに専攻は心理学。副専攻で犯罪法学を学んでいました。

 

Q奨学金について

ネバダ大リノ校では全額奨学金を得ることができました。それは学費、寮費・燭台・教科書代、すべてです。寮を出てチームメイトとルームシェアをした時の家賃も学校側が支払ってくれました。リノは何もないところだったので、ほんとうにお金を使うことはなく、暮らせました。

 

その分勉強はしっかりやらなければいけません。部活をやってる選手はstudent/athleteというブランドのような特別なステイタスがあり、ゆえに選手たちは勉強や普段の態度もしっかりしないといけない、お金をもらってるわけではないですが、「人としてプロフェッショナルであれ」とコーチに言われてました。

 

つづく

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渡部 健介

小5でテニスを始め、ジュニアの全国大会出場、高校卒業後はアメリカへ留学。University of Nevada,Reno(ネバダ州立大学)にて心理学専攻。大学のテニスチームに所属、NCAA Division1(全米1部リーグ)にて4年間プレー。4年時にはキャプテンを務め、文武両道を重んじた学生生活を送る。大学卒業後はプロトーナメントに参戦するも、早々と選手活動に見切りをつけ、2007年よりテニスコーチとしてのキャリアをスタート。シンガポールのアカデミーで5年間選手育成と強化を中心に国籍問わず3歳から80歳までのテニスプレーヤーの指導に幅広く関わる。約15年間の海外生活から得た経験を活かし、福田創楽選手(現在プロ)のコーチとして世界各地の国際大会遠征に帯同。同時期に修造チャレンジのサポートコーチも兼任。JOC(日本オリンピック協会)事業の一環で 男子ジュニアナショナルチーム遠征にも帯同。その後、伊達公子選手のヒッティングパートナー兼コーチとして遠征に帯同。現在はスポーツを通じてあらゆる角度から世界を舞台にした人材育成、強化、マネジメントの三本柱を構築中。またスポーツを通じて世界との競争経験から、世界に挑戦するだけではなく世界との競争を対等に渡り歩く真のリーダーシップ人材育成に取り組んでいる。

 

アメリカ大学テニス留学

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